スマートフォンの地図アプリなどでおなじみのGNSS(全球測位衛星システム)ですが、一般的な「単独測位」では数メートルの誤差が生じてしまいます。しかし、測量や自動運転などのプロフェッショナルな現場では、より正確な位置情報が求められます。
そこで活躍するのが、センチメートル単位の精度を実現する「干渉測位(相対測位)」の代表格である「RTK」という技術です。本コラムでは、RTKの仕組みや、近年主流となっている3つの方式について分かりやすく解説します。
RTKの仕組みを解説する前に、最近の機器事情について少し触れておきましょう。
測位衛星からは、位置を計算するための信号が2周波以上発信されています。RTKの測位では、このうち「L1」「L2」と呼ばれる信号がよく使われます。2016年頃からこのRTK技術の低廉化が進み始め、RTK対応であれば高価な受信機でも安価な受信機でもこの「2周波」に対応するようになり、RTKの測位性能自体はほぼ同等になっています。また、2018年以降、日本国内では準天頂衛星「みちびき」の運用開始された背景もあり、GNSSを利用した新たなシステムた多く出現しています。
その結果、用途に合ったモノを正しく選べば、コストを抑えて高精度かつ実用的な測位が実現可能になったと言えます。
基準局(位置が分かっている場所)からの補正情報を受け取ることでセンチメートル精度の位置を知るRTKには、主に以下の3つの種類があります。
① RTK-GNSS(従来型のRTK)
【仕組み】
2台以上の機械を使用します。1つを「基準局」、もう1つを「移動局」とし、基準局から移動局へ無線通信などで直接、精度補正情報を送信します。
【特徴】
移動局はこの補正情報を元に、センチメートル精度の位置を知ることができます。
② ネットワーク型RTK(N-RTK)
【仕組み】
現場に設置する機械は「移動局1台のみ」で済みます。インターネット接続を利用して、WEBサービス経由で基準局からのデータを受信します。
【特徴】
インターネット接続環境さえあれば、移動局は補正情報を元にセンチメートル精度の位置を知ることができます。
③ PPP-RTK(CLAS:シーラスなど)
【仕組み】
こちらも現場に設置する機械は「移動局1台のみ」です。最大の特徴は、インターネット接続も不要な点です。
【特徴】
衛星信号から直接送られてくる精度補強信号を元に、センチメートル精度の位置を知ることができます。ほぼ単独測位と同じような手軽な感覚で利用できますす。
3つの方式には、それぞれ得意なことと苦手なことがあります。現場の状況に合わせて使い分けることが重要です。
各RTK方式は、現場状況や目的により使い分けると、コストを抑えたより良いシステムが実現し易くなると言えます。通信環境のない山間部なら「RTK-GNSS」や「PPP-RTK」、市街地やその近隣などのネットワーク接続可能な地域なら「ネットワーク型RTK」といった具合に選択します。 どの機器や方式を選べば良いか迷った際は、3つのRTKに対応かのうな弊社まで、ぜひお気軽にお声かけください。