RTK-GNSSは「平面の位置(緯度経度やXY座標)」を数センチ精度で測るだけではなく、「高さ(Z)」の計測にも対応できます。
しかし、その高さの有効精度や数値の取扱いには、少し注意が必要な点があります。
例えば、GNSSの観測画面に表示されている高さの数値をそのまま図面に書き込んでしまい、「実際の標高と全然合わない!」と慌てた経験や、小さな敷地や構造物を計測した際に少し違和感を感じるような、そんな経験はありませんか?
本コラムでは、GNSSで正しく「標高」を測るための仕組みと、2024年度に行われた標高基準の改定、そして現場における従来の測量機との賢い使い分けについて簡単にご紹介します。
私たちが普段使っている「標高」は、東京湾の平均海面を基準(0m)とした高さのことです。
(地域により河川や港湾などの基準面が異なる場合があります)
しかし、宇宙を飛んでいるGNSS衛星のみでは、地球の海面や河川のような流動的なものの高さは分かりません。
そのため、GNSSは地球を「均一な面の楕円形(回転楕円体)」と仮定し、その楕円体の表面から受信機までの高さを計算します。
この高さを「楕円体高(だえんたいこう)」と呼びます。
つまり、GNSSで測位して最初に得られる高さデータは、海面を基準とした「標高」ではなく、仮想の基準面から測った「楕円体高」なのです。
では、GNSSで測った「楕円体高」を、私たちにとって身近な「標高」に直すにはどうすればよいのでしょうか?
ここで登場するのが「ジオイド高」という値です。
地球の内部は重力が均一ではないため、海面の延長を想像した面(ジオイド面)は、きれいな楕円体に対して数メートル〜数十メートルの凹凸(起伏)があります。
この楕円体面からジオイド面までの差を「ジオイド高」と呼び、このジオイド高により、シンプルな計算式で標高に換算できます。
〇 標高 = 楕円体高 - ジオイド高
GNSS測量で正確な標高を測るためには、この「ジオイドモデル」と呼ばれるデータを利用し、その地点のジオイド高を取得し、楕円体高から標高値へ換算する必要があります。
GNSSで標高を測る上で、非常に重要なトピックがあります。
国土地理院は、約10年ぶりに日本の重力データを詳細に見直し、2024年4月に新しいジオイドモデル「日本のジオイド2024(GSIGEO2024)」を公開し、標高基準を改定しました。
これにより、全国各地で標高の基準値が数センチ見直されることになりました。
これからGNSSで標高を計測し、公共座標などに合わせる場合は、古いジオイドモデル(GSIGEO2011など)ではなく、基本的に新しい2024年度版のジオイドモデルを適用して計算する必要があります。
※弊社のGNSS関連アプリ、この新しいジオイドモデル(JPGEO2024)による補正に対応しています。
GNSSで正しい標高を得るためには、「楕円体高」と「ジオイド高」の関係を理解し、最新のジオイドモデル(2024年対応版)を使用することが不可欠です。
弊社のシステムでは、複雑なジオイド補正や最新の基準への対応も、アプリの設定により対応することができます。
広大な範囲の現況調査や、より手軽に標高計測を行いたい場面がありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。